組み立てまでがJUCIE

こんにちは、ブログ担当のtKです。
今回は少し、JUCIEの「組み立て」について書いてみたいと思います。

皆さんご存じの通り、ゴルフクラブはヘッドだけでは使えません。
シャフトが挿さり、グリップが装着されて、初めて一本のゴルフクラブになります。
つまりゴルフクラブとは、大別すると
ヘッド・シャフト・グリップという3つのパーツを組み立てて完成するもの。
そして、その組み立ては必ず“誰か”が行っています。
実はJUCIEは、この「組み立て」にもかなりの自信とプライドを持っているんです。


今でこそJUCIEは全国の取り扱い店様へヘッド単体でも提供しています。
ですが、コロナ前までは基本的に完成品でしか販売していなかったそうです。
なぜか。
それは、「自分たちが設計した意図通りのゴルフクラブ」として自分達の手で組み立てて提供したかったから。
ヘッドを設計するだけではなく、
シャフトが入り、グリップが装着され、
一本のゴルフクラブとして完成した状態まで含めてJUCIE。
そんな考え方があったそうです。


その考え方を支えているのがツアーの現場です。
JUCIEの組み立て現場には、日々さまざまな選手がクラブを持ち込んでくるそうです。
調整だったり、組み直しだったり、依頼内容はきっと多岐にわたるでしょう。
「わざわざ組み直す必要があるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、選手がわざわざ持ち込むには理由があるはずです。
松吉氏はよく、ツアーの現場をF1やラリーに例えます。
一般ユーザーが使うクラブとは少し違う世界で、そこまでの性能や精密さ、高度な技術を支える設計は必要ないのかもしれません。
でも、そのタフな環境で得た知識や経験を、一般ユーザー向けの製品へ落とし込んでいく。
ヘッド設計だけでなく、組み立てにもそのノウハウが活きているそうです。


実は僕自身、
クラブの「振り心地」がとても気になってしまうタイプでした。
皆さんもありませんか?
「なんとなく軽く感じる」「ヘッドを感じづらい」「振り遅れる」
数値や言葉では説明しづらいけど、なんか気持ち良く振れないなぁ。
そんな感覚です。
僕は今まで、新しいクラブを手にすると、ほぼ毎回鉛を貼っていました。
ここに貼って、やっぱりこっちにも必要だな。
ちょっと貼り過ぎたな、剥がそう。
また貼ろう。
そんなことを繰り返して、自分好みに仕立てていました。
でも、ある時気づいたんです。
JUCIEで組んでもらったクラブだけ、鉛を貼っていないなと。
特別意識していたわけではなかったのですが、あまりにも普通に使えてしまっていたので、後から気づきました(笑)。
「あれ?そういえば触ってないな」と。
別に僕専用に組んでもらっているわけでもありません。
「こうしてほしい」と細かく伝えたこともありません。
なのに、不思議とそのまま使えてしまっていました。


理由は、ごめんないさい、よく分かりません。
僕自身、昔は自分でクラブを組んでいた時期もありますが、
どこをどう調整したら、こんなに違いが出るのか、分かりません。
これを言ったら「一緒にするな」と怒られそうなので言いませんが(笑)。
もしかしたら数値で説明できる部分もあるのかもしれませんし、それだけではない何かがあるのかもしれません。
ただ一つ言えるのは、僕はJUCIEで組んでもらったクラブを、何も気にせず、ノンストレスで気持ちよく使わせてもらえているということです。


各パーツメーカーが日々しのぎを削り、素晴らしい製品を生み出しています。
ヘッドメーカーも、シャフトメーカーも、グリップメーカーも、
より良い製品を目指して開発を続けています。
ですが、ゴルフクラブはヘッドだけで完成するものではありません。
シャフトだけでもありません。
それぞれのパーツが組み合わさり、一本のクラブとして完成した時に、

「使い手」がどう振れるのか。どう感じるのか。

料理で例えるなら、最高級の食材だけを集めても、美味しい料理になるとは限りません。
どんな組み合わせにするのか。どんな味付けをするのか。
その調理方法で仕上がりは大きく変わります。
ゴルフクラブも同じなんだと感じます。
どんなに良いヘッドがあっても、どんなに良いシャフトやグリップがあっても、その組み合わせや組み立てが噛み合わなければ、本来の性能は発揮できません。
だからこそJUCIEは、ヘッドの設計だけでなく、組み立てにも強いこだわりを持っているのでしょう。


もし機会があれば、
ぜひ一度、

JUCIEが組み立てたクラブ

を使ってみてください。
ヘッド性能や飛距離性能だけではなく、「振り心地」という部分にも注目していただけたら嬉しいです。
メーカーとして完璧を求める姿勢。
そのこだわりは、きっと振った瞬間に感じていただけると思います。

cHアイアンが、大き過ぎず、つかまり過ぎない理由

「やさしいアイアンは、ゴルフ歴の長いゴルファーには扱いづらい」
このような先入観を、無意識のうちに抱いている方は少なくありません。
特にヘッドスピードの速いプレイヤーにとっては、「やさしさ=意図しない飛びすぎ(縦の距離ブレ)」という致命的な懸念に直結することがあります。そのため、スコアをマネジメントする上級者ほど、高性能を謳うアイアンを本能的に避けてしまう傾向があります。
今回は、私たちがcHアイアンを設計するにあたり、なぜ「プロや上級者が実戦でシビアにピンを狙える『真のやさしさ』」を実現できたのか、その開発ロジックをお話しします。


「安心感」の性能を解剖する

まず、一般的に「やさしいクラブ」とされる性能を整理します。
普遍的な要素としては、「ミスヒットへの寛容性(打点のブレに強い)」と「球の上がりやすさ(飛距離性能)」が挙げられます。この性能を本当に感じられるクラブは「やさしいクラブ」といえるでしょう。
問題は、主にアベレージプレイヤー向けに付加される“見た目の安心感”にあります。
「うまく当たらないかもしれない」という不安を消すための大型で厚いトップブレードや、「スライスするかもしれない」という恐怖心を抑えるための強いグースネック(FP値が小さい形状)。
これらはミスを未然に防ぐための記号(デザイン)ですが、同時にベテランゴルファーにとっては別のデメリットを生む原因になってしまいます。


上級者が「一般的なやさしいアイアン」を敬遠する理由
芯を捉える技術を持つゴルファーやプロが、上記のようなやさしいクラブに感じる使いづらさは、以下の4点に集約されます。
弾道コントロールの制限:ミスに強い(直進性が高い)挙動は、インテンショナルに球筋を操作したい上級者にとって、意思が伝わりにくいというデメリットになります。

過剰な強弾道:速いヘッドスピードに対して低重心的な球が上がりやすさや飛距離性能は、ターゲットに対する縦の距離ブレを誘発します。

シビアなライでの抵抗:試合会場のようなタフなセティングのコース(ラフや傾斜地)では、ヘッドの大きさがそのまま芝の抵抗や構えづらさに繋がり、振り抜きを悪化させます。

左への過度なつかまり:スライスを克服したプレイヤーにとって、特にショート番手での「つかまりすぎる性能」は左への大ミスを連想させ、実戦で思い切って振れなくなります。


cHアイアンにおける開発アプローチ

現代のスイングに適合する「慣性モーメント」
cHアイアンの根幹のテーマは、慣性モーメントの最大化によるミスへの強さです。これはアイアンの進化において不可欠な性能です。
「慣性モーメントが大きいと操作しにくい」というのは過去の常識です。現代の大型ドライバーを打ちこなすスイング(打点ではなく、スイング方向とフェース面でコントロールする現代的なスイング)においては、この高慣性モーメントはもはやデメリットになりません。むしろ上下の慣性モーメントも高めたことで縦の距離ブレが抑えられ、距離感をシビアに合わせる正確性を生み出しています。

スピン性能と飛距離の最適化
飛距離性能については、あえて低重心や過度な深重心にはしていません。立ちすぎていない適切なロフト設計とし、ダウンブローに打ち込んでいくことで、安定した高いバックスピン量を確保します。
さらに、私たちがウェッジ設計で培ってきたソールアクションを番手別に最適化して採用。ソールが最後の一押しを担うことで、適正なスピン量と狙い通りの飛距離を緻密に両立させています。

視覚的な「安心感」と、実戦での「振り抜き」の両立
「構えたときの安心感」と「タフなコンディションでの扱いやすさ」。この相反する要素を両立させるために、さまざまな意匠を施しました。

・錯覚を利用したフェース・ジオメトリ
実際のサイズ以上に、構えた瞬間に適度な安心感が得られるよう、視覚的なアプローチを取り入れています。フェースの頂点の位置、スコアーラインの配置など、細部にわたり「大きく見える工夫」を凝らしました。

・接地面積を抑えたヘッド形状
アドレス時の見た目は安心感がありながらも、実戦での芝の抵抗を軽減するため、フェース形状とあわせて、特にトゥ側の形状を綿密にチューニング。ソールの接地面積は一般的な小ぶりの鍛造アイアンと同程度に抑えています。これにより、ラフや傾斜からでも淀みなく振り抜くことが可能です。

「グースネック」の本質的な再定義
ここがcHアイアン設計における最も重要なポイントです。
私たちが求めたのは、かねてよりお伝えしている「フェースキープ性」を高めること。すなわち、「フェース面をシャフト軸とは独立して、鮮明にイメージできる形状」です。
しかし、従来のグースネックにありがちな「ネックから不自然に折れ曲がってフェースに繋がる視覚的な違和感」は極力排除しました。
そもそもグースがやさしいとされる本質は、ヘッドの重心位置がシャフト軸(ライ角面)から後方にあることで、これがロングアイアンのつかまりやすさを助ける点にあります。しかし、もともとつかまりの良いショート番手まで重心を後方に移動してしまうと、上級者にとっては左への恐怖心が勝る、実戦では使えないクラブになってしまいます。
cHアイアンはこの重心設計を非常に繊細に行いました。
「視覚的なグースの違和感はないのに、フェースをしっかり後ろに感じられる。それでいて、重心は深くしない」 事実、ショート番手のFP値(フェースプログレッション)は、tQアイアンよりも大きく(ストレートに)設定されています。


すべてのゴルファーに応える、真の番手別設計

cHアイアンは、単なる弾道性能の追求にとどまりません。アドレス時の視覚効果、あらゆるライに対応するソール形状、そして番手ごとの最適な重心設計。
これらを全番手において徹底的に突き詰めることで、アベレージゴルファーが恩恵を受けられる寛容性と、ベテランゴルファーが純粋に追い求める『一打の最適解』に応える確かなパフォーマンスを一本のアイアンに同居させました。

ものづくりとしての合理性と感性を融合させた、JUCIEが提案する新しいフルCNCキャビティアイアンの性能を、ぜひ体感してください。