
みなさんはウェッジのセッティングを考えるとき、どうやって決めていますか?
よくあるのが「Pwが46度だから、間を均等にして50度、54度、58度かな」といったように、「ロフトピッチ(角度の間隔)」だけで機械的に揃えてしまうパターンです。
実はこれ、実際のプレー時にアプローチの窮屈さを招く典型的な罠なのです。
今回はロフトの数字に沿ったイメージではなく、物理的にクラブとボールの間で起きている現象を紐解く目線から、本当に実戦で結果が出るウェッジセッティングの考え方を整理してお伝えします。
「100ヤードを何度のロフトでどう打っているか」という事実を確認する
セッティングの起点は、一番下のSwではありません。
まずは「自分が今、何度のロフトのクラブを使い、どんなスイングで100ヤードを打っているのか?」という客観的な事実を整理・確認してみてください。
この「100ヤードを打っているクラブのロフトと状態」を観察していくと、自ずと自分のスイングと道具への依存度(余裕をもって自力で打てているのか、クラブの軽さやシャフトのしなり戻りに助けられているのか)が見えてきます。
そのうえで、ご自身の現状に合わせて、まずは100ヤード程度を打つクラブとして、それぞれどのような性能のヘッドを選ぶべきかを見ていきましょう。
・道具の性能(軽さやしなり戻り)に頼らず、自力でしっかり打てている場合
このタイプの方は、素直に「フルショットがしやすい性能」のヘッドを選んでいくのが正解です。現状で使っているロフトによって、選ぶべき性能が変わってきます。
現状、ロフト50度以下で100ヤードを打っている場合:
アイアンに近い感覚で振れるモデルや、アイアンセットの流れにあるPw・Gw・Awといった、構えやすさとライン出しやすさを重視した性能を選ぶのが最もスムーズです。
現状、50度より寝ているロフト(51度や52度など)で100ヤードを打っている場合:
ロフトがある分、フルショットでスピンがかかりすぎて距離が落ちたり、吹き上がったりしやすくなります。スピン量が適度に抑えられ、しっかり距離を押し出せる性能のヘッドを選んでください。
JUCIEのモデルで「100ヤードを自力でしっかり狙う」領域なら、tTウェッジ2.0 5112Tがおすすめです。適度なスピン量と伸びのある飛距離とのバランスが秀逸です。
・100ヤードを「道具の性能」を活用して打っている場合
もし「100ヤードの飛距離にあまり余裕がなく、シャフトの軽さやしなり戻りをフルに利用して飛ばしている」と認識できた場合は注意が必要です。
というのも、「フルショット」と「距離を抑えるコントロールショット」では、スイング中のシャフトのしなり方(物理現象)が変わってしまうからです。
このタイプの方は、100ヤード以下のクラブを選ぶ際には、ヘッド選びだけでなく「シャフトスペック」まで含めたセッティングを考えていく必要があります。
フルショットで勝手に飛びすぎないようにする工夫:
ウェッジだけ少し重めのシャフトを選び、クラブの飛距離性能を適度に変えてあげるのがおすすめです。この場合、「等間隔なロフトピッチ」はまったく意味がありません。実際に打ったときに何ヤード飛ぶかという「結果ベース」で距離差を見て、ロフトピッチの数字は完全に無視して選ぶのが正解です。
女性ゴルファーなど、Swまでクラブの性能をフル活用したい場合:
「短い距離のコントロール専用」として、短めで少し重めのSWをもう1本追加で入れるのが非常に効果的です。フルショット用とコントロール用で、場合によって同じロフトであっても役割を明確に分けることで、バンカーの脱出や距離のコントロールがとても簡単になります。
女子プロの具体的な例としては、複数の優勝経験のある選手で、まったく別のPwを2本入れていたり、同一メーカーではありますがPwが70g台、AwとSwは90g台でそれぞれ別のシャフトを入れていたりと、フルショットから距離調整ショットへの変化を、道具で調整しています。
100ヤード以下を「1本」で行くか、「2本」に分けて構成するか
100ヤードを打つクラブが決まったら、次はそれ以下の距離(ショートゲーム)をどうカバーするかです。ここでの選択肢は「1本でカバーする」か「2本(あるいはそれ以上)に分けて役割を持たせる」かになります。
52度で100ヤードを打ち、そのクラブでアプローチもこなし、さらに得意のSw番手1本でプレーをするのが、過去よく見られたセッティングでした。
この場合は、100ヤード用クラブでも幅広くアプローチショットをしやすくするよう、先ほど紹介をした5112Tのように、ロフトが多いのに飛距離もちゃんと出る性能だと、1本での戦略の幅が広がります。
ただ、そもそも100ヤードを50度以下のロフトで打っている場合や、最近の傾向として2本にして役割分担をさせるケースが増えてきました。
その際のポイントとして必要な性能は、まず「フルショットで距離差が確実に出るヘッドかどうか」だけです。ロフトピッチを気にしすぎると、ショートゲームで高い球が打ちにくいヘッドを選んでしまいがちですので、自分が打ちたい球筋や状況に合わせた性能で選ぶのがポイントです。
JUCIE特有の55度ラインナップから選ぶ場合は、次のような点をご参考ください。
5509B:フェアウェイの良いライから、距離のコントロール(縦距離の打ち分け)を繊細に行いたい方に最適。
5512T:フルショットで距離が出しやすく、短いショットでもロフト通りの高い球やスピンの効いた球が打ち分けやすい万能モデル。
5508G:Sw代わりになるほどオールマイティな性能。距離のあるバンカーやタフなライからでも繊細なアプローチが打てます。
数字のピッチではなく「起きる現象」で選んでほしい
ウェッジ選びで一番もったいないのは、「きれいな角度のピッチで揃えなきゃ」という思い込みに縛られてしまうことです。そして、番手で選ぶという概念も一度見直してほしいです。
100ヤードを打つ場合、飛び系の42度のPwで、軽量シャフトでフルスイングしている人や、58度のSwで余裕をもってその距離を飛ばしているプロもいます。
100ヤードを打つ場合は、ヘッドスピードの違いから、ロフトもヘッド性能も異なる様々な現象があるのに、10ヤードを打つ場合は、それほど大きな違いはありません。
ですので、その間の90ヤードを、どうやって整えていくかは、人それぞれいろいろな方法があって当然なのです。
「100ヤードを何度のロフトでどう打っているか」という事実から自分の状態を認識し、100ヤード以下を 1本でシンプルにいくか、Swの他にもう1本足して役割を分けるのかを決める。そして、ロフトの表記数字にとらわれず「実打で何ヤード飛ぶか」というリアルな結果をもとに、ショートゲームで自分が一番ラクに楽しく打てるセッティングをぜひ見つけてみてください。

