こんにちは、ブログ担当のtKです。

今回は【新アイアンについて】の記事です!
このワードだけで、もう楽しみになってしまいますよね。
JUCIEファンの皆さんなら、きっと同じ気持ちだと思います。

―― そのキーワードは「令和イケメン」
JUCIEが新しいアイアンの開発を進めているそうな!
ファンとしては、もう黙っていられない。皆さんにも共有したい!
……といっても、その多くはいまだベールに包まれています。
ただ今回、松吉氏からほんの少しだけ“キーワード”を聞くことができたので、
その言葉をきっかけに、僕自身が感じたこと、そして勝手ながら膨らんでしまった期待を、少しだけ書いてみたいと思います。


まず、現行モデル「tQアイアン」について

tQアイアンといえば、美しい弾道と、打点がフェース面とシャフト軸にピタッと合った時のあの快感。ボールをしっかり“面で捉える”感覚が、これほどまでに伝わるクラブはなかなかないのではないかと感じます。
8番以下は完全なるマッスルバック。ボールを操る楽しさがあり、7番以上では、ボールをしっかり遠くまで導いてくれる。

上手く打てた時の気持ちよさは格別で、打っているだけでどんどん楽しくなってくる。
ただ、その一方でクラブがお助けしてくれるような雰囲気はほとんどありません。

むしろ、「君がちゃんとやるなら、私は正確に動く」
――そんなメッセージをクラブから感じるほどです。

この特性が、長くクラブを握ってきた熟練ゴルファーたちの心を掴んでいます。
しかし、近年の“お助け要素満載”クラブに慣れたゴルファーにとっては、
「難しそう」――その一言で片づけられてしまうこともあります。


ある学生ゴルファーのひと言から、物語が動き出す

そんな中、ある出来事があったそうです。
松吉氏が、日本を代表する学生ゴルファーにJUCIEを紹介する機会がありました。

tQアイアンに絶対の自信を持って臨んだ松吉氏。
ところが、その学生は数球打ったあと、こう言ったそうです。
「僕、こういう顔ダメなんですよね。もっと簡単そうに見えるクラブが好きで。」
その言葉に、松吉氏は少なからず衝撃を受けたといいます。

tQアイアンは、長年クラブを握ってきたゴルファーが“安心して構えられる”ことを大切に設計された、正統派モデル。
だが、その学生の目には、それが「使いにくい」ものに映ったのです。

好みの問題といえばそれまでですが、その瞬間――
松吉氏の中で、ひとつのスイッチが入った。
「やはり時代が求める“構えやすさ”は、プレースタイルによって変わって行く方が良いのではないか。」


新キーワード:「令和イケメン」

こうして生まれたのが、新しいキーワード。
それが「令和イケメン」だそうです。
昔は、顔つき(=アドレス時のフェースデザイン)にメーカーごとの個性が強く出ていました。今は、バックフェースのデザインやブランド全体の世界観のほうが印象を左右する時代。
そんな中で、JUCIEは“令和の顔”を模索し始めたのです。

しかも驚くべきことに、次期モデルでは同じアイアンの中に
「令和イケメン」と「正統派」――2つの顔が登場するという!
ひとつのモデルに、まったく異なる個性を共存させる。
こういった僕らの想像の先を軽々と越えてくるあたり、本当に痺れてしまいます。


変態的なまでに深い設計思想

松吉氏と話をしていると、設計の話がどこまでも深く、ときに狂気すら感じるほど…。
こちらがようやく一段理解したと思ったら、その先にもう三段階くらい深い思考がある。
まさに「誰も踏み込めない世界を旅している人」という印象を受けます。

それでも、ご本人はいつも物腰柔らかで、どんな質問にも丁寧に答えてくださる。
つい先日の番組出演でも、共演者から「変態的」と評されていたそうですが(笑)、
この業界では、それは最大級の賛辞だと思います。


最後に

新アイアンの全貌は、まだ明かされていません。
ただ、キーワードは「令和イケメン」。
構えた瞬間に“今”を感じる、そんなクラブが生まれようとしているのは確かです。
皆さんは、この言葉から何を感じるでしょうか。
JUCIEがどんな“顔”を見せてくれるのか――。
その瞬間を、ファンの一人として心から楽しみに待ちたいと思います。
是非続報をお楽しみに。

ウェッジ選びの常識をリセットしてもよいのでは? -中編-

前回、「スピン性能で選ぶときは絶対値ではなく、期待通りのスピンがいつも出るか?」を重視してほしいというような話をしました。
今回は、もう一つの違和感として、「バンス角の数値を優先してウェッジ選びをするのはもったいない」という内容について話していきたいと思います。


ローバンスウェッジは難しい?

ローバンスウェッジというジャンルはいつごろ確立されたのでしょうか・・・
ウェッジがアイアンセットに含まれているのが当たり前だったころ、Swはバンカーで使いやすいお助けクラブでしたし、ストロングロフト化が進み始め、Pwのロフトが40度台になったころから、Swとの間にW、Aw、Gw、P/Sなどと呼ばれるクラブが登場し、単純にはPwとSwの距離差を埋める性能が求められるようになりました。その後、Swに近い悪いライへの対応に特化したクラブや、Pw以上に距離のピッチを刻みやすいアプローチ性能に特化したクラブへと少しずつ進化・変化していったように感じています。
さらに変化が起こり、ウェッジだけのシリーズとして、さらには番手表記ではなくロフト表記となった、いわゆる現在の単品ウェッジと呼ばれるウェッジが生まれました。
それまでは、単品ウェッジと言うと、バンカー脱出に特化したクラブや、チッパーに代表される転がしに特化したクラブなど、お助け機能に特化したクラブばかりでした。
その単品ウェッジを積極的に取り入れたのがプロゴルファーで、さまざまなプレーヤーの要望に合わせていろいろな性能へと変化していきました。その変化の大きな要素は主にソール性能であり、ソールを積極的に使う人や、さまざまな入射角でも邪魔にならないソールを好む人に合わせた性能のクラブが生まれてきました。

そこにさっそうと現れたのが、ハイスピン系のウェッジです。このハイスピン系のウェッジは、スコアラインの鋭さや当時のボールの性能にもよりますが、ソール性能としてはバンス効果が強いものと相性がよかったため、バンス効果が強いモデルが増えました。その流れに乗らず、スピン性能よりも多彩なショットが打ちやすい、バンス効果の弱いモデルを好むプロのために生まれたのが、初期のローバンスウェッジです。
そして、このローバンスウェッジを使っていた人たちが、当時ウェッジワークに長けた方々であったため、その意見を取り入れたウェッジはシャープな性能となることが多く、その結果ローバンスウェッジは難しいという印象が定着していきました。


ローバンス≠バンス角が小さい

ではそもそもローバンスとはどういう意味でしょうか?
私は、「バンス効果が弱い」と言うように説明をしています。単純にバンス角度が小さいとは言いません。しかし、現在のウェッジ選びでは同義としているのが通説です。
少し難しい表現をしてしまいますが、バンス効果の強弱をバンス角度のみで評価するのは、「1次元的」な見方と言えます。角度といっても、何に対してという部分が曖昧で、結局は多いか少ないかで判断してしまいます。それでは本来の性能にたどり着けないので、少なくともウェッジの断面を想像して、その楔形の状態を判断する「2次元的」な見方をしてほしいです。
断面を見れば、ソールの幅・厚みの違いや、ソールが平らか丸いか?さらには、接地位置が前か後ろか?などが見えてきます。角度といっても、例えばロフト56度バンス8度と、ロフト60度バンス12度では、楔の角度は同じであることなどがわかると思います。
これらの性能が、最初はその効果がどう影響するのかわかりにくくても、意識することで少しずつご自身の打ち方に合った条件が見えてくると思います。


さらに理解を深めるには、トゥ・ヒール方向の形状の変化をしっかりと考慮する「3次元的」な見方が重要だと思います。この方向のソールの丸みや、開いたときの変化などに目を向けると、もっとウェッジの持っている本来の性能が見えてくるはずです。
そして、私はその先の「4次元的」な見方を大切に設計しています。この話は次回にしたいと思います。


ジューシーウェッジのラインアップに込めた想い

いろいろとお話ししましたが、これらのさまざまな性能を考慮して生まれたのが、ジューシーのウェッジシリーズで、58度だけを見てもB・S・K・G・Tの5種類があり、それぞれが個性的な性能となっています。特にB・S・Kはバンス角がどれも10度です。角度で選んでしまうとどれも同じですが、バンス効果としては、Sが一番弱く、Bが標準的、Kが少しだけ強めとなっていて、打っていただければ、それはすぐに体感していただけると思います。
Tソールは、バンス効果が特殊で、近い距離でのスピン量が安定して増えることを目的としたバンス効果と、開いたときも程よいバンス効果を発揮します。
そして、Gソールについては、角度は8度ですが、バンス効果はBソールと同程度で、さらにはストレートに使っても開いて使っても、できるだけ同じようなバンス効果を発揮できるよう、微妙な丸み調整を行っています。さらに、今回tTウェッジ2.0として進化する際に、バンス効果を少し強めてKソールと同程度としています。ですので、「バンス角8度だから」「ローバンスだから」という先入観を捨てていただいて、バンス角度の数値ではなく、打ちたいショットに効果的にソールが機能するかという指標で選んでいただきたいという想いを感じていただければと思います。